「成功」と「失敗」の分かれ目とは
エステサロンに限ったことではありませんが、事業を行うということは「それなりの志」を持って挑んでいることでしょう。もちろん、やるからには事業の成功を目指すわけですが、残念ながら「失敗」という結果になることもあります。
この「成功」と「失敗」の分かれ目は、一体どこにあるのでしょうか?事業者なら誰でも気になるところです。
そこで、今回はエステ市場の中で、「サロン事業をどうしたら成功に導けるか?」を考察してみましょう。
数字が物語る事業の現実とは
まず、「エステサロンの成功確率は37%」というタイトルを見て、皆さんはどうお感じですか?
「意外に高い?」「えぇ!そんな低いの?」「ま、こんなところでしょ?」など、きっと様々な受け取り方があるはずです。
中小企業庁が毎年発行する中小企業白書と言うものがあります。
その中で、以前「開業年次別・事業所の経過年数別生存率」というデータがありました。
簡単に説明すると「事業者が開業してから、どのくらいの確率で生き残っているか」をデータ化したものです。
「エステサロンの成功確率は37%」という数字は、このデータを引用して「開業から3年後の生存率」として当てはめた数字です。
まずは、下の表をみてください。
これは、個人で事業を起こした方の生存率を表したデータであり、年を追うごとに生存率がどんどん低くなっているのが見て取れます。
これによると、開業して3年後で37.6%、5年後で25.6%、そして10年後になると実に11.6%しか生き残れないということになります。
エステ市場の規模はどうなっている?
エステ業界は、個人~小規模経営の事業所が全体の9割を占めていると言われます。
街中には大手サロンなどたくさんの店舗が目立つ印象ですが、全体からすると1割程度ということになります。
では、先に示した「生存率」のデータをあてはめると、エステ市場はどんどん事業所の数が減って衰退していくように思えます。
そこで、エステ業界の市場規模の推移はどうなっているのか見てみましょう。
細かい数字はともかくとして、まず下のグラフを直感的に見てください。
若干数字の増減はあるものの、ここ数年の推移をみると「ほぼ横ばい」になっているのがお分かりになるかと思います。
生存率とエステ市場のカラクリ
圧倒的に小規模事業所が占めるエステ市場において、事業の生存率が年を追うごとに減少していくのに、市場規模は横ばい…これは一体どうしてでしょうか?
勘の鋭い方は、もうお分かりですね。
このカラクリは、廃業したサロンの数だけ新規開業したサロンの数で補っているので、市場規模が保たれるわけです。
「参入障壁(さんにゅうしょうへき)」と言う言葉をご存知でしょうか?
これは、あらたに事業を始める際に、参入する市場へのハードル(難易度)の高さを表したマーケティング用語です。
例えば、資格、許認可などの一定要件、既得権がモノを言う業界、多額な資本やハイレベルな技術、知見を必要とする事業などは、参入障壁が高いと言えます。
では、エステ市場はどうかというと、特段の資格要件や許認可は必要ありませんし、ホームエステのように、店舗を構えなくても自宅の一室でも事業は行えます。(これは、脱毛サロンも同じですね。)
そう言った点では、参入障壁は低い事業と言えるでしょう。
その気があれば、どなたでも簡単に事業が始められるのがエステ事業の魅力とも言えますが、その反面、次々と新規参入者が現れるため、常に競争原理が強く働きます。
当然、競争に負けてしまうと廃業に追い込まれるわけで、それが「生存率の数字」となって表れると言うことです。
成功と失敗の明暗を分けるのはコレ!
個人~小規模な事業者が多数を占めるエステ業界ですが、「成功」と「失敗」の明暗はどこで分かれるのでしょうか?
さまざまな要因が考えられる中で、顕著に違いが表れることが一つあります。
それは、事業者による「経営感」の差です。
経営感とは、要するに「事業としてしっかり捉えているか?」ということです。
事業に失敗したケースを見ると、よく考えずに「いきあたりばったり」や「思いつき」で事業を運営していたり、経営の知識が不足していて「感覚」でモノごとを判断する傾向があるのは否めないところです。
ここで、私たちのもとに相談が寄せられた事例を一つご紹介しましょう。
郊外の自宅の一室でフェイシャルサロンを営む個人店のAさんが、あらたに脱毛サービスを始めようと、某メーカーの業務用脱毛機を数百万円で購入したそうです。
全額支払いを済ませて、納品を待っている間、実は、自宅周辺に脱毛サービスを行っているサロンが複数あることに気づいたそうです。
「これでは、お客さんが来てくれない!」
そう思ったAさんは、購入先のメーカー担当者に連絡し、「キャンセルしたい」旨を伝えたところ拒否され、知り合いを通じて私たちのもとに相談がありました。
「キャンセルしたいのに先方から拒否され、お金も返してくれない」
「まだ8日もたっていないからクーリングオフとかで解約できるんですよね?」
と、こんな感じのエピソードです。
この事例を見ると、大きく2つの経営感が不足しているのがお分かりですね。
まず一つ目は、十分な市場調査を行っていなかったことです。
やはり、機器を購入する前に自身が勝負する商圏はどんなものかを調べたうえで、サービス導入の可否を判断すべきところでしょう。
そして二つ目は、経営知識の不足です。
そもそも、脱毛機を購入する目的は何であるかです。
個人で使うわけでなく、脱毛サービスの事業として「業務用脱毛機」を購入したわけですから、これは事業者間の商取引をしているわけです。
クーリングオフは、一般消費者のための「特定商取引に関する法律」による法制度です。
従って、事業者間取引には適用されないと言うことになります。
たとえ個人が購入したとしても、事業目的であれば購入者は「消費者として保護されない」と言うことです。
新規開業、新規参入の成功ヒント/まとめ
エステ(脱毛)サロン事業をあらたに開業、参入を目指す方は、当然「成功したい!」と思うことでしょう。
そのポイントとなるのは「経営感」です。
先に示した「生存率のデータ」をあらためてご覧ください。
開業から3年後の生存率と3年目以降では、減少率がどんどん鈍化しているのがお分かりになるかと思います。
つまり、開業から3年間が一つの大きな節目(勝負)と言って良いでしょう。
そこで、エステ(脱毛)サロンの開業、参入時における経営感のポイントをいくつかお伝えしますので、是非、参考にしてみてください。
- あなたの事業の損益分岐点を把握していますか?
- 何をどのくらいやると損益分岐点がクリアできますか?
- どのような体制(仕組み)で損益分岐点をクリアしますか?
- 業務用脱毛機等の取得費に投資回収率を考慮してますか?
- 事業にともなうリスク対策をどこまで考えていますか?
- 3年後の姿、形を描いていますか?
- 差別化、優位性、独自性の源泉は何ですか?
- 物事の根拠や裏づけを常に追求していますか?
- 事業者としての立ち位置で物事を捉えていますか?
EWBeautyでは、業務用脱毛機を「脱毛サロン事業における戦略アイテム」として捉えています。脱毛サロン開業、参入に関する運営相談はもちろん、本質的な脱毛機選びに関するノウハウなど、売り手側視点でなく客観的な専門家の立場でアドバイスいたします。
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